日本映画界を代表する巨星、俳優の仲代達矢さんが、2025年11月8日、肺炎のため92歳でその生涯に幕を閉じました。この知らせは、彼が設立した俳優養成所「無名塾」から、11月11日に公式サイトで発表されたものです。
70年以上にわたる役者人生で160本以上の映画に出演し、日本映画史にその名を刻んだ仲代さん。彼のキャリアは舞台俳優として始まりましたが、小林正樹監督に見出され、映画『人間の條件』三部作の主役に抜擢されたことで、その名は全国に知れ渡りました。
彼の最高傑作の一つとされるのが、1962年の映画『切腹』です。この作品での演技はブルーリボン賞主演男優賞を受賞し、仲代さん自身もキャリアの中で最も誇りに思う演技だと語っていました。
また、黒澤明監督との出会いは、彼の名を世界的なものにします。シェイクスピアの『リア王』を基にした映画『乱』では、老将軍・秀虎を熱演。炎上する城の階段を呆然と下りてくるシーンは、映画史に残る象徴的な場面として、今も語り継がれています。さらに、『影武者』では武田信玄とその影武者の一人二役を見事に演じきりました。
俳優としてだけでなく、彼は後進の育成にも情熱を注ぎました。1975年に妻の宮崎恭子さんと共に私塾「無名塾」を設立。ここから、役所広司さんをはじめとする多くの才能ある俳優たちが巣立っていったのです。その指導は厳格なものでしたが、塾を途中で辞めた教え子が映画祭で賞を受賞した際には、心から「おめでとう」とメッセージを送るなど、その器の大きさを示すエピソードも残されています。
映画以上に、彼は舞台俳優であることに誇りを持っていました。亡くなるわずか半年前の2025年5月には、能登の復興公演で主演を務め、すでに次の公演の稽古にも入っていたといいます。まさに、生涯現役を貫いた役者人生でした。
1996年に紫綬褒章、2015年には文化勲章を受章。その誠実な人柄は多くの人々に尊敬されていました。文化勲章の受賞会見で、スタッフが次回公演の宣伝をしようとした際には、「今日の取材はそういうことじゃないだろう」と一喝したという話は、彼のまっすぐな姿勢を物語っています。
この訃報は、イタリアをはじめとする海外メディアでも大きく報じられ、世界中が彼の死を悼みました。SNSには「巨星墜つ」といった追悼の声が溢れ、彼が演じた数々の役柄への思い出が語られています。
日本が誇るこの偉大な俳優の訃報に、世界の人々はどのような想いを寄せているのでしょうか。海外から届いた数々の追悼の声をご紹介します。
海外の反応
🧑🏻💻 うそだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ！！！！！
👱🏻♂️ おい、マジかよ…先週、初めて『乱』を観たばっかりだったんだぜ…。
👨🏾🎨 今日、一つの映画が死んだ。
👩🏼💼 思わず泣いてしまったわ。彼は私にとって、お気に入りの俳優の一人だったから。
👨🏼💼 黒澤時代、最後の巨星が堕ちたか。とてつもない損失だ。
👨🏽💼 まさに伝説だ。彼の演技は、日本映画の一時代を定義したと言える。
👨🏻💼 映画界の巨人だった。なんという偉大な功績だろうか。
👨🏻💻 まさに本物のアイコンだったよ。ほとんどの役者が生涯に一本でも傑作に出会えればと夢見るのに、彼はいくつも持っているんだからな。
🧔🏾♂️ どうか、安らかに、キング。あんたはこの世界で、自分の役目を果たしたんだ。
👨🎨 映画『乱』での彼の演技は、映画史に残る最高の演技の一つだ。
👨💼 『乱』で40年も前にあれほど見事に老人を演じていたから、今日までご存命だったと知って驚いたよ。
🧔🏿♂️ 『切腹』での演技は、本当に素晴らしかった。
👱🏻♂️ 映画史上、最高の「目」を持った男だった。
👨🎨 『人間の條件』と『大菩薩峠』での彼の目を比べてみてくれ。信じられないほどの表現力だ！
👨🏻💻 『用心棒』と『大菩薩峠』での彼の演技は、映画史上最も偉大な悪役の二つだ。『大菩薩峠』での彼は、本当に恐ろしい。
👨🎨 個人的には、史上最高の俳優だったと思う。彼は話す必要すらなかった。ただその目だけで伝えられる感情の幅は、並外れていた。
👨🏼💼 『大菩薩峠』を観るべきだ。『切腹』と並んで、史上最高のサムライ映画だと俺は思う。
👨🏼💻 『大菩薩峠』を観てみな。あの中の彼は、マジで怖いぜ。
👨🏼💼 この三部作は俺のお気に入りの映画だけど、あまりにも心をえぐられるから、もう一度観たいとは思えないかもしれない。…いや、これを機に観るべきか。
👱🏻♂️ 映画に本気でハマり始めた頃、彼は俺にとってとてつもなく大きな存在だったんだ。『切腹』を初めて観たとき、「マジかよ、映画がこんなことまでできるなんて知らなかった」って、何度も何度も思ったのを覚えてる。
🧔🏽♂️ アジアのダニエル・デイ＝ルイス、いや、それ以上だ。
👨💼 伝説よ、安らかに眠れ。三船のパチーノに対する、デ・ニーロのような存在だった。
👨💻 アニメファンは、血しぶきが噴き出す表現の原点がどこにあるかを知るべきだ。
👨🏼💼 まだ若かったのに…。（※90歳を越える高齢者に対して、若くして亡くなったと惜むアメリカのジョーク）
👨🏼🎨 俺の腕には、『切腹』のタトゥーが入ってるんだ。
👨🏼🎨 俺の腕にも『七人の侍』が入ってるよ！右腕と肩は全部、日本のクラシック映画なんだ。
👨🏾💼 今年の映画界の巨星たちの訃報の中でも、一番悲しいかもしれない。ニューヨークの近代美術館での上映会で彼に感謝を伝えることができたんだ。
👨🏾💼 彼は三部作にするつもりだったけど、あまりにも暴力的で、一作目を超えるのは無理だと感じて作らなかった、って言っていたのを覚えてる。
👨🏽💼 本当に泣きそうだ。あの人は絶対的な存在だった。一生に一度でいいから、会ってみたかったんだ。
👨🏻💻 安らかに眠れ。なんて伝説だ。彼がまだ生きていて、現役だってことは知っていたよ。
👨🏻🎨 史上最高の俳優の一人だ。彼は長く、満たされた人生を送った。
👨💻 全映画界で、最高の経歴じゃないか？
👨🏻💼 黒澤の世界は、三船の炎と仲代の影の上に築かれた。二人が共に一つの時代を定義したんだ。真の巨匠が、我々のもとを去った。
👨🏻🏫 彼のキャリアこそが、戦後日本映画の歴史そのものだ。
👱🏾♂️ 行っちまいな、最高に美しい野郎だぜ…🥀😢
👱🏾♂️ まさに、芸の道に生きた人だったな。俺もちょうど今年、黒澤作品にハマったばかりなんだよ🥲 追悼の意を込めて、もう一度観ることにするよ。
コメントは以上になります。
寄せられた数々の言葉から、世界中の人々が彼の死を深く悲しみ、大きな衝撃を受けていることが伝わってきました。
仲代達矢という俳優が、国境を越えていかに「伝説」として敬愛され、その圧倒的な演技力、特に力強い眼差しが、多くのファンの心に深く刻まれているのかが、はっきりと示されています。
また、彼の作品との出会いが、一人ひとりの人生にとって特別な出来事であったことも、心のこもった言葉の数々からうかがえます。
改めて心よりご冥福をお祈り申し上げます。
仲代さんが遺した偉大な作品群は、これからも決して色褪せることなく、時代を超えて世界中の人々を魅了し続けることでしょう。彼の魂は、その輝かしいフィルムの中で、永遠に生き続けるのです。
コメント
仲代達也は良く知ってるよ。「乱」で共演した。城攻めで「わーーっ」と走ってる人の役。
撮影は何日もあったので、赤チームと黄チームの両方に入っている。
ちなみに向こうはこっちの事は全く知らない。