あるSNS投稿が、トヨタとテスラという二大メーカーの未来をめぐる議論を巻き起こしています。投稿主はJames Tateさん。彼の投稿によると、トヨタのCEOが「新型の水素自動車でテスラのEV産業をすべて置き換える」と発言し、世界中の注目を集めたというのです。
投稿の内容を見てみると、トヨタは東京で開かれた国際会議で「未来はリチウムイオンではなく水素だ」と断言。さらに、新型の水素車「Mirai-X」が発表され、1回の充填で1000キロ以上を走行、充填時間はわずか5分。そして、「電気自動車はあくまで過渡期にすぎず、本当の未来は水素にある」といったメッセージとともに、テスラに対し「その支配は終わる」と強気な姿勢を見せた――というものでした。
ですが、実際にトヨタの公式発表や報道を確認しても、こうした発言は確認されていません。「Mirai-X」という車両名も公式には存在しておらず、現在販売されているトヨタの燃料電池車は「MIRAI(ミライ)」です。2020年に登場した現行モデルは、最大約850キロの航続距離を誇り、水素ステーションでの充填時間も3〜5分と、ガソリン車並みに短く実用性は非常に高いです。
トヨタは10年以上にわたり水素技術を研究しており、この技術をEVと並ぶ持続可能な選択肢のひとつとして位置づけています。2030年までに年間7万5000台分の燃料電池システムを商用車向けに供給するという目標を掲げ、欧州・北米・中国などでの展開もすでに計画中。また、エネルギー企業との連携により、高効率な水素ステーションの整備や、廃棄物からの水素生成といった次世代インフラ構築にも取り組んでいます。
一方で、テスラに対する姿勢も対立的というよりはむしろ冷静です。トヨタの豊田章男元社長はかつて「テスラは新しいレシピを広めている」と評価しつつ、「トヨタにはそれを実現するキッチンとシェフがある」と語り、自社の強みを強調していました。つまり、トヨタはEV、水素、ハイブリッドなど複数の道を並行して進める「マルチパスウェイ戦略」を採用しており、どれかひとつで他を置き換えるという考え方ではないのです。
SNSではしばしば、注目を集めるために過激な表現が使われることがありますが、実際のトヨタの取り組みを見ると、環境問題やエネルギー多様化への現実的かつ戦略的な姿勢がうかがえます。水素車はたしかに前進していますが、「テスラのEV産業を一掃する」といった表現は、現時点では事実に基づくものとは言えないようです。
しかし、この話題に対して、世界中からさまざまな意見が寄せられているのも事実です。ではここで、SNS上に集まった海外ユーザーたちの反応を見てみましょう。
海外の反応
👨💻 さあ、未知の領域へ足を踏み入れよう。充電不要で30年以上走り続け、室内はいつでも暖かくも冷たくも保たれる。走る燃料自体が発電する車を想像してみろ。これが、高効率ベータボルタイクの世界だ……
👱🏻♀️ 私はトヨタの大ファン!20年以上このブランドを愛用してきたの。故障知らずで問題一つなかったわ❤️❤️
👱🏼♂️ 中国製EVが100%関税なしで上陸したら、テスラはもうおさらばだ。性能差は桁違いだぞ!
👨💻 まずは水を電気分解して水素と酸素に分ける。次に超低温で水素を液化・輸送し、全国に冷却ステーションを設置……理にかなっていると言えるか?
👩💼 効率的な水素自動車を作れるのはトヨタしかない。ハイブリッドプリウスの元祖は彼らだ。フォードもシボレーも、後からトヨタの技術を取り入れただけだ。
👱🏾♀️ 大容量リチウム電池が使えなくなった後、どう処分するんだろう。環境への悪夢になりそうで心配だわ。
👨💼 水素燃料には賛成だが、トヨタには給油インフラが必要だ。単独参入なら、自社で資金を調達するしかないだろう。
👱🏻♂️ その通りだ。だからオーストラリアは水素技術に巨額投資している。クリーンで豊富、価格も下がるだろう。BMWの新エンジンも見逃せないぜ。
👱🏻♂️ トヨタ大好きだし、カリフォルニアを「州」として扱う姿勢もいいね。
👨💼 問題は、世界の水素の98%が天然ガス由来だってことだ。
🧑 🤣🤣🤣 水素燃料電池のほうが本命だと思っていた。電気自動車にも意義はあるが、使っている知人は「煩わしくて制限が多い」って言って、すぐ内燃機関車に戻るってさ。
👨💼 電気自動車はベータマックスの如く、より良いものに取って代わられると確信している。
🧑 グリーン水素こそ未来だ!昔からそう言ってきたんだ。
👱🏻♂️ ついに寒冷地のカナダでも、充電不要で長距離走行可能な現実的な水素車が登場だ。
👱🏻♂️ テスラのマスクがかつて水素を嘲笑していたが、ミライXがその見方を覆しつつあるな。
👨💼 安全性に問題はないのか?
👱🏻♀️ よし、テスラに制裁を。あんな連中はもう要らない。
👱🏻♀️ 使い捨て製品のために大地を傷つけないという考えに心から賛成!大地こそ最優先だわ!
🧑 トヨタ万歳!テスラなんていらない。
👨💻 水素脆化をどう克服したのか知りたい。自由水素が金属やプラスチックと反応して脆くする現象だ。過去の水素エンジンは皆、これであっという間に故障した。
👩💼 今は祈りを捧げるか、それとも次の一手を考えているのだろうか?
👨💼 トヨタは2014年に水素車を市場導入したが、世界で2万5千台未満しか売れていない。昨年、カリフォルニアで燃料供給の可用性に関して虚偽表示で訴えられたぞ。
👱🏻♂️ もうトヨタには見切りを付けた。ガレージに充電器があるから待つ必要がないし、ミライ発売以来何も進展していない。全く興ざめだ。
🧑 事故になれば、乗員も周囲も吹き飛ぶだろうな……幸運を祈るよ。
👩💼 テスラは駄目だと言われながらも、マスクは水素へ軸足を移している。中国勢のEVには勝てないからね。BYDの新バッテリー技術が水素車を葬るかもしれない。だが、トヨタには注目し続ける価値があるわ。
👱🏾♂️ 悲しいが、それはただのたわ言だ。水素車ほど愚かなものはない。だから道路にほとんど走っていないんだ。電気自動車は何千万台も普及している。
👨🏿💻 水素は良くない。爆発性だし、燃料電池の処理や補給方法は?火災が起きたとき、消火装置は対応できるのか?そもそも消火隊の装備は?既知の悪魔「テスラ」にしがみつくとしよう。
👱🏻♂️ この茶番を前に、笑うべきか泣くべきか……
コメントは以上になります。
意見は大きく分かれましたが、どちらの陣営にも技術的な期待と現実的な課題が語られていたのが印象的でした。
トヨタの水素戦略を歓迎する声や、EVの限界に触れるコメントがある一方で、水素インフラの未整備や安全性への懸念、過去の販売実績に対する批判も目立ちます。
今回の話題が、単なる企業間の比較ではなく、次世代モビリティ全体への関心を映し出していることが、反応の多様さからもよくわかります。
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